ソフトテニスラケットのガットを張り替えたいけど
- どんなガットを選べばいいのか?
- ガットのテンションはどれくらいにしたらいいのか?
- 縦と横のテンションは変えた方が良いのか?
など分からないことが多いですよね。
実は初心者だけでなく、長年テニスをしている方もあまり知らないことが多いんです(僕がそうでした)
ソフトテニス歴10年の僕が自身の経験や、公式メーカの情報、ストリンガーさんのお話など調査してきました。
今回はソフトテニスにおける
- ガットとは?
- 素材、構造
- テンションとは?
- S張、V張とは?
- 張り替え時期は?
- ガットの選び方は?
について解説していきたいと思います。
この記事を読めばソフトテニスのガットに関して理解が深まると思います。
それではどうぞ。
こんな方におすすめ
- ガットの選び方を知りたい
- どのくらいのテンションが良いか?
- S張、V張について知りたい
- 縦、横のポンド数を変える理由を知りたい
- 現役選手のポンド数の相場を知りたい
- ガットの張り替えるタイミング、目安を知りたい
目次
ソフトテニス用ガットとは
ガットとはラケットの網のことです。
と言う方もいると思いますが、これが実際にボールを打つと結構変わってくるんです。
ガットはポジション(前衛・後衛・オールラウンダー)や選手の技量(初心者・中級者・上級者)に合わせて様々な種類があります。
ガットとストリングの違いは?
皆さんはガットを選んでいると商品名はストリングになっていることに違和感を感じたことはありませんか?
実はテニスにおいてはガットもストリングも同じ意味です。
昔は羊や牛の腸でガットを作っていたそうなんですが、このガット(gut)の語源が『腸』を表します。
一方、ストリング(string)の語源は『紐』や『糸』を表します。
なので語源を考えるとストリングというのが正式名称のような気がしますが、日本ではガットの方が定着しています。
メーカさんでもGOSENはガットという商品名ですが、YONEXとMIZUNOはストリングという商品名です。
今までストリングという呼び方にこだわっている人も見たことありませんのでそこまで気にしなくても大丈夫です。
ガットの素材・構造
ガットの素材や構造について簡単に紹介します。
①素材
ガットの素材にはナイロン、ナチュラルガット、ポリエステルの3種類があります。
それぞれの特徴はこちらです。
- ナイロン:価格手頃、使用率1番
- ナチュラルガット:高価
- ポリエステル:耐久性◎ハードヒッター向け
②構造
ガットの構造は主にモノフィラメント、マルチフィラメントの2種類です。
- モノフィラメント
- マルチフィラメント
モノフィラメント
モノフィラメントは芯となる太い糸に細い糸が巻き付いている構造です。
反発力が良く、スピードボールを打つのに優れています。
マルチフィラメント
マルチフィラメントは細い糸が1,000本以上組み合わさっている構造です。
球持ちが良く、ボールをコントロールするのに優れています。
球持ちとは
ラケットでボールをぐっと掴んでから送り出すイメージのこと。
(実際に体感すれば分かりやすいのですが、言葉にするのは難しいです。。)
これらの素材と構造が組み合わさって、ガットは作られています。
ガットのテンションについて
ガットのテンションとは、ガットをラケットに張る強さのことです。
単位はポンドで表されます。
ソフトテニスラケットのガットのテンション幅はラケットによって決まっており主に2パターンです。
- 25-35ポンド
- 20-30ポンド
主流は25-35ポンドです
ガットは選手のパワーや技量でどのくらいのテンションにすればいいか推奨されています。
それではテンションが低いものと高いものでどのような特徴があるかを説明していきます。
低いテンションの特徴
テンションが低いとボールがガットにくっつく時間が長いので、球持ちが良くドライブ回転やコントロールに優れています。
スウィートスポットも広がるのでラケットの真ん中から少しずれたところにボールが当たっても打感が良くボールが飛びやすいです。
また、上方向など広角に飛びやすくなるのでボールを遠くへ飛ばすのが苦手な初心者にもおすすめです。
スウィートスポットとは
ラケットの真ん中の部分です。
この部分でヒットできればボール打つ時の衝撃を最小限に抑え力も最大限に伝えることができます。
高いテンションの特徴
テンションが高いとボールがすぐ反発し離れるため、ボールが飛びにくいです。
ガットのテンションが高めのラケットは、速くスイングできる人が打つと飛距離は抑えつつ速いボールをコート内に収めやすくなるというメリットがあります。
逆にラケットを速くスイングできないと、打球が短くなったりネットが多くなる恐れがあります。
またスウィートスポット小さくなるので、ラケットの真ん中でボールを捉えられないと打感も悪くボールも飛びません。
これらの特徴を踏まえて自分に合ったテンションを選んでください。
現役で活躍している選手はどれくらいで張っている?
見て強くなるソフトテニス塾の動画で出演されたスポーツショップ サカモトの坂本さんによると
- 昔は35ポンドで張る方もいたが、かなり減っている。
- 2020年か2021年のハイスクールジャパンカップでガットの張り替えを担当したが、30ポンド以上で張る選手は体感で5%〜10%
- 今のラケットは昔と比べるとしなりが減、硬さがアップし飛びにくくなっている
- ガットのテンションを低めにして調整されてきているのでは?との推測
トップ選手のガット事情もテンションを決める参考にしてみてください。
ガットの張方
実店頭ではポンド数を言うだけでガットを張ってもらえるので、張方については経験者の方でもあまり知らない方が多いです。
予備知識として説明しますね。
ガットの張方にはS張とV張があります。
S張(YONEX張)
Sはストロークを表します。
縦のガットを張り終わったら一度カットし、横のガットを張っていくので2本張とも言われます。
S張の仕上げ方
- 縦のガットを張る。
- 下から数えて8本目から下に向かってガットを通していく。
- 中の方から上に向かってガットを通し、仕上げていく。
S張りの特徴
- ガットに負荷がかかりずらい
- スイートスポットが少し上目
- 打感が固くなる
- 弾きが良い
- 強く打ちたい後衛向け
V張(GOSEN張)
Vはボレーを表します。
縦と横のガットを、1本で張っていくのでこちらは1本張とも言われます。
V張の仕上げ方
- 縦のガットを張る。
- 横のガットは上から8本目からスタート。上を先に 上2本だけ残す。
- 中から下のガットを入れて仕上げる。
- 上2本を仕上げる。
V張りの特徴
- ラケットに負荷がかかりずらい
- スウィートスポットが真ん中
- 真ん中に少し緩さが出る
- 球持ちが良い
- コントロール重視の前衛
知らなかった方は次のガット張替え時にS張り・V張りも依頼してみてください。
縦と横でポンド数を変えるとどうなる?
縦のガットと横のガットには次の要素があります。
- 縦のガット:飛びの要素
- 横のガット:打感の要素
縦ガットのポンド数より横のガットのポンド数を1,2下げることで、飛びを抑えつつ打感を出すことができるようです。
これは意見が分かれるようなので、気になる方は是非一度試してみてください。
豆知識
もともとはラケットの変形防止を目的として横のガットのテンション下げていたそうです。
昔のラケット(木製・カーボン初期)はフェイスの剛性が弱く、また縦方向と横方向でラケットにかかる圧力が違うので変形しがちだったようです。
そこで縦糸のテンションより横糸のテンションを少し下げることで圧力のバランスをとり、フレームが変形するのを防いでいたんです。
現在はラケットの剛性(固さ)が上昇し、マシンも質が上がっているのでラケットの変形は気にしなくても大丈夫です。
ガットの張り替え時期
ガットは3ヶ月に1回の張り替えがオススメです。
メーカーさんもガットの張り替えについては次のように推奨しています。
一般的には張り上げ後、1度も使用していなくとも約3カ月でガット本来の持つ反発性能が失われてしまいます。この反発性能を失ったコンディションではボールスピードが落ちるだけではなく、ボールに十分な回転を与えることができません。
また、打球時の振動が多く発生するため手首や肘を痛める原因にもなり得ます。
出典元:https://www.gosen-sp.jp/aboutgut/
気温・湿度の影響
ナイロンガットの場合、高温で伸び、低温で縮む特徴があります。したがって気温の違いにより、テンションを調整することが必要です。日本での春と秋を基準にすると、3~5ポンド程度夏は高く、冬は低くテンションを変えるプレイヤーが多くいます。
また、湿度においてはナイロンガットの場合あまり多くの影響を受けませんが、雨などで水分が多く付着してしまった場合、性能は低下してしまいます。これらの点から、季節ごと(3ヵ月ごと)の張り替えを推奨します。
出典元:https://www.gosen-sp.jp/aboutgut/
また、ガットは張り替えたてだといつもとボールの打感が変わるので大会に向けて張り替える時期を調整するのも良いですね。
他にも交換の目安としては
- ガットの目ズレが戻らない
- ガットが摩耗している
などが見られたらガットの張り替えを検討してみてください。
ガットを変えないとどうなるか?
ガットが切れない限りは使えます。
僕はソフトテニス復帰勢でガットを張った状態で7年放置していたラケットを使っていた時期がありましたが、案外普通に打てるものです。
ただ実感としてはやはりガットが緩くなりボールが飛びやすい印象です。
絶対に3ヶ月で張り替える必要はありません。
これは色んな方の意見がありますが、この『3ヶ月』の基準はあくまで上級者やテニスの頻度が多い方向けだと思います。
週5回テニスをする人と週1回テニスをする人のガットの交換時期が同じというのも変ですよね。
僕はガットの張り替えは半年に1回くらいです。
僕が運営しているサークルは趣味や運動がコンセプトなのでほとんどの方がガットの張り替えは半年〜1年です。
それでもプレーに大きく影響しているような人はいないように感じます。
ガットの選び方
ガットは次の5つのポイントを押さえて選びましょう。
ポイント
- ポジション
- プレースタイル
- 人気商品
- メーカー推奨商品
- カラーバリュエーション
①ポジション
ガットもラケットと同様にポジション(前衛・後衛・オールラウンド)によって性質が違います。
どのポジションに適しているガットかは商品パッケージに記載されているので確認してみてください。
②プレースタイル
ポジションを確認したら次はプレースタイルです。
自分が普段どのようなボールを打って試合をしているか考えましょう。
といっても大体次の2つのパターンに分かれますね。
- ラケットをガンガン振っていって強いボールを打ちたい
- 速い球というよりはラリー力・コントロール重視で攻めていきたい
どう攻めていくかで推奨されるガットが変わります。
③人気商品
ここまで①,②まで絞れたら以降は決め手となる要素です。
YouTubeなどで店頭で売り上げが良い商品や選手が使用しているガットが紹介されています。
特にYoutubeでのガット紹介は実際にソフトテニスをしている方のレビューを聞けるのでとてもオススメです。
僕は見て強やあゆたろうちゃんねる、カンボジアのまさとや船水雄太選手の動画を参考にしています。
注意ポイント
ガットやラケットの売上ランキングのまとめサイトを見ると、たまにおかしな商品が上位になっていることがあります。
最近見たのは初心者にオススメのラケット売上ランキングの第1位が『Dr.SKILL』というラケットです。
ソフトテニス経験者なら分かると思いますが、完全に初心者の技術向上向けの練習ラケットです。
初心者のレベルアップのために練習で使用するには良いラケットですが、実際に試合で使っている人は見たことありません。
最初の1本でこれを間違えて買ってしまったら・・・かわいそうです。
そのサイトの著者を確認すると、硬式テニス専門の方で経歴にソフトテニスがありませんでした。
個人的には実際にソフトテニスをやられている方やソフトテニスYoutuberの動画を参考にするのがオススメです。
④メーカー推奨商品
ラケットによってメーカーが推奨しているガットがあります。
公式サイトで確認できますので迷った時は参考にしましょう。
例えば、僕が使用しているボルトレイジ5Vだとヨネックス公式サイトで推奨されるガットは以下です。
- 弾き重視:V-ファイア(SGVF)
- 球持ち重視:サイバーナチュラル ゲイル(CSG650GA)
プレースタイルによっても選べるのでありがたいです。
⑤カラーバリュエーション
ガットによっては様々なカラーが選べます。
カラーバリュエーションで選ぶなら
- YONEX サイバーナチュラルシャープ(8色)
- YONEX サイバーナチュラルスラッシュ(6色)
がおすすめです。
どちらもオールラウンド向けで、僕はサイバーナチュラルシャープを使っていますが球持ちが良く打感が良いのが印象的です。
特にサイバーナチュラルシャープは8色とバリュエーションが豊富なので、個性を出していきたい方にはピッタリのガットだと思います。
ガットを選ぶポイントは以上です。
僕はソフトテニスに詳しいお店の方がやられているYouTubeや見て強、あゆたろうチャンネルなどで紹介されているガットから自分に合うものを選んでます。
その中でもさらにカラーが選べると個性が出せるので良いなって思いますね。
全部のガットを見て決めるのは大変なので、この決め方が1番オススメです。
注意ポイント
ガットは価格が高ければ高いほど良いということではありません。
ポリ系のガットはソフトテニスのトッププロが使用しており高価格で人気なガットですが、ラケットをとても速くスイングできる人向けに反発力が強いです。
ラケットを速くスイングできない初心者がこれらのガットを使用するとなかなか飛ばない、肘を壊す場合もあります。
まとめ
ソフトテニス用ガットとは
- ガットとはラケットの網のこと。
- ガットが変わると打感も変化する。
- ポジションや技量によって推奨されるガットが異なる。
ガットの素材
- ナイロン:価格手頃、使用率1番
- ナチュラルガット:高価
- ポリエステル:耐久性◎ハードヒッター向け
ガットの構造
- モノフィラメント:芯となる太い糸に細い糸が巻き付いている構造。反発力が良く、スピードボールを打つのに優れている。
- マルチフィラメント:細い糸が1,000本以上組み合わさっている構造。球持ちが良く、ボールをコントロールするのに優れている。
ガットのテンションについて
- ガットのテンションとは、ガットをラケットに張る強さ。
- 単位はポンド。
- 選手のパワーや技量で推奨されるテンションが変わる。
- テンションが低いと球持ち、ドライブ回転やコントロールに優れ、
- 広角に飛びやすくなるのでボールを遠くへ飛ばすのが苦手な初心者にもおすすめです。
- テンションが高いとボールがすぐ反発し離れるため、ボールが飛びにくいです。
- 速くスイングできる人が打つと飛距離は抑えつつ速いボールをコート内に収めやすくなる。
- 逆にラケットを速くスイングできないと、打球が短くなったりネットが多くなる恐れがあります。
S張の特徴
- ガットに負荷がかかりずらい
- スイートスポットが少し上目
- 打感が固くなる
- 弾きが良い
- 強く打ちたい後衛向け
V張の特徴
- ラケットに負荷がかかりずらい
- スウィートスポットが真ん中
- 真ん中に少し緩さが出る
- 球持ちが良い
- コントロール重視の前衛
縦と横でポンド数を変えるとどうなる?
- 縦のガット:飛びの要素
- 横のガット:打感の要素
縦ガットのポンド数より横のガットのポンド数を1,2下げることで、飛びを抑えつつ打感を出すことができる。
ガットの張り替え時期
- メーカ推奨は3ヶ月に1回の張り替え
- 大会に向けて張り替える時期を調整するのもおすすめ
- ガットの目ズレや摩耗も交換の目安
ガットを変えないとどうなるか?
- ガットが切れない限りは使用可
- ボールは飛びやすくなる
- 『3ヶ月』の基準はあくまで上級者やテニスの頻度が多い方向け
- 初心者・中級者の場合、そこまでプレーに大きく影響するものではない
ガットの選び方
- ポジション
- プレースタイル
- 人気商品
- メーカー推奨商品
- カラーバリュエーション
以上です。
今後は本記事におすすめのガットも掲載していく予定です。
良かったら参考にしてください。