ソフトテニスの試合で緊張して思うように打てず悩んでいませんか?
それはもしかするとイップスという運動障害かもしれません。
僕は18年間、試合でフォアハンドの感覚が無くなることに悩んでいましたが、それがイップスだと認識したのはここ2年の話です。
イップスを認識してからは改善するために様々な対策や練習を行い、現在では試合でほぼ実力が出せていると実感するまでになりました。
- 今回はそんな僕がどのようにイップスを発症し
- イップスを抱えながらどうプレーしていたか?
- どんな気持ちだったか?
当時のことを思い出しながら紹介していきたいと思います。
この記事を読めば
- イップスの打てない感覚
- イップスのつらさ
- イップスになる人の特徴
が分かると思います。
18年間苦しんだ僕の経験だと、イップスは練習量を増やすだけでは全く治りません。
練習でやったことを試合で生かすための練習・対策をする必要があります。
この記事を読んで自分がイップスかもしれない、指導者の方で教え子の中にイップスかもしれない子がいれば今までの練習方法や試合までの考え方を見直してください。
イップス対策については別記事で紹介しているので良かったらそちらも参考にしてください。
それではどうぞ。
こんな方におすすめ
- ソフトテニスでイップスの人の体験談を聞きたい
- ソフトテニスで自分がイップスかどうか知りたい
イップスを発症した中学時代
友達から誘われたのをきっかけにソフトテニス部へ入部しました。
当時ポジションは後衛です。
同級生の中では2番手でフォアハンドもバックハンドも好きでした。
初大会でフォアハンドに違和感
初の大会でめちゃくちゃ緊張し、次のような症状が出ました。
- フォアハンドにいつもの感覚がなく、ドライブをどういう加減で掛ければ分からない。
- フォアハンドはフワっと入れに行く
- その他のプレー、特にバックハンドはいつも通り打てる。
この時はまだイップスという言葉も知らないし、症状もまだ軽症だったと思います。
現に全く勝てないわけではなく、2回戦負けが多かったような気がします。
大会をこなすごとにフォアハンドへの苦手意識が高まる
大会で何度試合に出ても緊張で体が硬直し、特にフォアハンドだといつものようにドライブをかけて打つ感覚が無くなります。
しかしバックハンドはいつも通り打てます。
この事から
- 回り込めるボールもバックで打つ
- 周囲からはフォアハンドよりもバックハンドが上手い後衛と言われる
とプレースタイルも周りの評判も少し変わった後衛という印象になります。
当時の僕はいつもフォアハンドでガンガン攻めて活躍している友達の試合を見て
(どうしてあんなに振っていけるんだろう?僕は緊張してフォアのドライブの感覚がなくなるのに)
と思っていました。
その友達に試合になると緊張でフォアが分からなくなることを相談すると
と言われました。
しかし実際やってみると、ドライブの掛け方が分からなくなっているからホームランばかりで負けに向かって加速していきました。
先生に言っても、友達に言っても理解してくれる人はいません。
「緊張してるだけ」や「元々の実力」という言葉で片付けられてしまいます。
負けることに慣れてしまった中学時代
バックハンドが打てると言ってもかなり上手という訳ではないですし、実際ボールはほとんどフォアハンドにきます。
そんな僕の中学時代のソフトテニスをまとめると
- フォアハンドにいつもの感覚がなく、ドライブをどういう加減で掛ければ分からない。
- フォアハンドはフワっと入れに行く
- その他のプレー、特にバックハンドはいつも通り打てる。
- 回り込めるボールもバックで打つ
- 周囲からはフォアハンドよりもバックハンドが上手い後衛と言われる
- ペアの前衛に何とかしてほしいと思っているが上手くいかず前衛に怒る
- ペアの前衛が委縮しミスを恐れ、積極的にボールを触りにいけない
- 大会では基本1,2回戦負け。3番手に降格
- それでも身内との練習試合ではいつも通りプレーができ、2番手にはほぼ勝っていた
- 団体戦では捨て駒でほぼ全負けするが、残りの2ペアで勝ち進んでいく
自分が悪いのに、ペアにもあたったりしてしまって全然ダメでした。
負けることにも慣れてしまいました。
高校時代は前衛で活躍するもイップスは治らない
高校ではソフトテニスをやるつもりはありませんでしたが、『特に理由がなければ原則、部活に入る』というルールがあったのでとりあえずソフトテニス部に入部します。
高校で前衛にポジションチェンジ
入部すると同級生の8割が後衛、2割が前衛という状況でした。
後衛のほとんどが中学時代一番手だったり実績のある選手で、後衛で戦うのは自分では無理だなと思い前衛にポジションチェンジします。
前衛の経験は全くなく、ボレーやスマッシュは見様見真似ですが
- 試合になると苦手なフォアハンドを打つ機会が減る
- イップスが発症しないバックハンドレシーブでパッシングなど意表をつける。
などメリットになる点もあると思っていました。
一番手前衛に昇格で責任感、プレッシャーでミスが怖くなりバックハンドも振れなくなる
高校から前衛になった僕は、中学の後衛時代とは違い
- バックハンドでレシーブすればイップスは関係ない
- ネットプレーでは緊張するがイップスは出ない
これらのことから自分でもセカンドレシーブさえ乗り切れば試合でほぼ実力が出せていると思っていました。
ネットプレーも多少上達していき、2年生になり先輩が引退する頃にはその代の一番手前衛に昇格していました。
プレースタイルは『ペアの後衛が圧倒的なストローク力と安定感で、僕が守って勝つ』
といえば聞こえが良いですが、ペアの後衛が強すぎてネットプレーの経験がまだ浅い僕を狙わないと勝てないというのが実情です。
つまり試合になると僕がめちゃくちゃ狙われるので、僕が耐えれるかどうかが勝敗を左右する感じでした。
当時の成績は県大会でベスト32ともうちょっと頑張ればというところ僕が耐えきれず負けてました。
なかなか成績が出ず悶々としていた中
コーチからは前衛は
- 後衛と比べ圧倒的にボールに触る数が少ないのでミスをしてはいけない
- スコア上プラスで終わらなければならない
- 校内の練習試合から常にスコアシートで自分のプレーのポイントがプラスなのかマイナスなのか数字でチェックしなさい
と指導を受けており、前衛はミスをしてはいけないという意識がかなり刷り込まれました。
次第に僕は
- 一番手で責任感やプレッシャー
- 試合になったら狙われるストレス
- 前衛としての経験が浅い分もっと練習しなくては
など追い詰められていき結果、バックハンドでのセカンドレシーブもミスが怖くて振れなくなります。
今考えるとこれはイップスのような感覚ではなく、ホントに怖くて振れなくなりました。
スコアだけ見ればはミスが少なくプラスと好印象だったかもしれません。
しかし実際はフォアもバックもレシーブを完全に弱気で入れにいき、ネットプレーはそこそこという上での結果です。
強豪校との練習試合でイップスが発症するプレーを徹底的に狙われる
他県の強豪校と練習試合をする機会がありました。
そこでトラウマになるくらいキツイ展開がありました。
練習試合の1戦目で僕が『セカンドのアンダーサーブでフォアハンドが打てない前衛』だということがバレてしまったのです。
2戦目以降は相手校の全ての選手が僕のレシーブの時だけファーストサーブからアンダーのふわっとしたサーブをフォア側に打ってきました。
普通ならチャンスボールですが僕はラケットを振ろうとするとドライブの感覚が分からなくなっているので強く振れません。
フワっとしたサーブをフワっとレシーブしてしまいます。
それを相手にバチン!と決められてしまう展開に。
何とかしなきゃと思いフォア側にきたふわっとサーブを無理やりバックに回り込んで打とうとします。
しかしバックのセカンドレシーブも振ることが出来なくなっています。
再びフワっとしたボールをあげてしまい、結果相手に決められてしまいます。
一番手として試合をしていたものの、相手の1番手~4番手に全敗してしまいました。
この出来事は高校生の僕にはかなりトラウマで、自信を失った僕はコーチに番手を落としてほしいと言いました。
以後、高校では2番手としてソフトテニスをしていきます。
前衛としてのプレースタイルを変更し、試合に勝てるようになる
2番手になり、ペアの後衛は上手なものの1番手後衛のような圧倒的ストローク力ではありません。
今までディフェンス寄りの前衛だったのですが、コーチからは
- ファーストサーブが入ったら全部ポーチ
- ラリーもいけると思ったら積極的にポーチ
- 3本抜かれるまではポーチに出続けろ
- お前は優しすぎるから性格悪くいけ
と指導されます。
言われた通りにやると、めちゃくちゃボレーは決まりますし後半になると相手後衛のミスが増えます。
ゲーム自体は序盤はパッシングで抜かれることもありストレート勝ちは少ないです。
ですが勝率で言うと、他校と11試合やって戦績は10勝1敗とかなり勝ち越しでした。
県大会でも初のベスト16に入りシードポイントが貰えるところまできました。
イップスは改善しませんでしたが、ネットプレーや駆け引きなら勝負できると自信を取り戻すことができました。
社会人でイップスがさらに悪化する
社会人からは趣味としてソフトテニスをやっていきます。
高校の時と違い責任感やプレッシャーは無いはずなのですが、イップスはどんどん悪化していきます。
4年間のブランクを経て再開するが、身内との練習試合でもイップスが発症する
高校を卒業して4年間ソフトテニスをやめていましたが、会社の先輩に誘われソフトテニス同好会と地域のサークルに入ります。
久々のソフトテニスに懐かしさや楽しいといった感情が芽生えてきますが、身内との練習試合でもイップスが発症するようになります。
そしてイップスの内容も高校時代と変わらずニスから少し離れれば解決するかもと期待していましたが変化していませんでした。
それでも高校の時同様、ネットにさえつければボレーで決められるとポジティブに考えプレーしていました。
一緒にペアを組んでいた先輩からも
と言われました。
フォアのアンダーサーブでイップスが発症する
身内との練習試合でセカンドをフォアのアンダーサーブで打つ前に僕はこんなことを考えていました。
(ポイントは0-3、ここでミスしたらダブルフォルトでゲームをとられるから入れにいかなきゃ)
打とうとした時、違和感を感じます。
右腕の感覚がありません。
いつも通り打てば入るはずなのですが、ラケットの振り方が分かりません。
それでもサーブを入れなければ入りません。
とにかく入れなきゃと打ちますが、ほぼフラットで高めのフワっとボールのサーブになり相手に好き放題打たれます
あまり高く上がらないようにと思い打つとダブルフォルト。
中学・高校時代も大会になるとフォアのアンダーサーブは少し打ちにくいと思うことはありましたが、身内との練習試合でどうやってラケットを振ったら良いのか分からないレベルにまでなってしまいました。
そんな状態でしたが4年ほどソフトテニスを続け、結婚を機に練習に参加する機会が減り再びやめてしまいます。
7年間のブランクを経てソフトテニスを再開
自身でサークルを開設しソフトテニスを再開しました。
体力面・技術面は3カ月ほどである程度戻ってきたという感覚でしたが、練習の試合になるとフォアハンドやアンダーサーブでイップスが発症してしまうのは変わらずです。
この時『緊張したら打てなくなる』状態を何とかしたいと本気で思い、ネットで調べていると『イップス』という言葉を知ります。
イップスについて様々な動画を見て勉強していきます。
市民大会出場時にファーストサーブのトスも感覚が分からなくなる
再開して半年ほどで市民大会に出場します。
いつも通りフォアでレシーブを打つ時、腕の感覚はありませんが何とか耐えます。
そんな僕でしたが出場したクラスが下のクラスだったので何とか準々決勝まで勝ち進むことができました。
ここで緊張してしまったのかトスの時、左腕の感覚がおかしいのです。
トスをそのまま上げると変な方向へ行き、フォルトしてしまいます。
セカンドのアンダーサーブは右腕の感覚が無いのでこちらも安定せず、ダブルフォルトをこの試合だけで4本やらかしてしまいます。
負けたかと思いきや、ペアの後衛の子に助けられ何とか勝ち下のクラスで3位という成績を収めることができました。
状況によってはファーストサーブのトスも上がらなくなるという事態に、次の大会までに何とかしなければとここでイップスを治すためにできる限りのことをしようと決意します。
以上が僕のイップスで苦しんだ歴史になります。
これから1年ほどイップスに対して様々な対策をすることで改善していきます。
どんな対策をしたか気になる方は別記事で紹介します。
良かったらそちらも参考にしてください。
まとめ
イップスを発症した中学時代
- フォアハンドにいつもの感覚がなく、ドライブをどういう加減で掛ければ分からない。
- フォアハンドはフワっと入れに行く
- その他のプレー、特にバックハンドはいつも通り打てる。
- 回り込めるボールもバックで打つ
- 周囲からはフォアハンドよりもバックハンドが上手い後衛と言われる
- ペアの前衛に何とかしてほしいと思っているが上手くいかず前衛に怒る
- ペアの前衛が委縮しミスを恐れ、積極的にボールを触りにいけない
- 大会では基本1,2回戦負け。3番手に降格
- それでも身内との練習試合ではいつも通りプレーができ、2番手にはほぼ勝っていた
- 団体戦では捨て駒でほぼ全負けするが、残りの2ペアで勝ち進んでいく
前衛に転職した高校時代
- イップスの発症するフォアハンドで打つ機会が減り、最初は自信を持ってプレーできていた
- 一番手前衛昇格するもなかなか結果が出ず、プレッシャーや責任感からもっと練習しなければと焦る
- コーチから『前衛はミスをしてはいけない・毎試合ごとにスコアでプラスになっているか確認する』という指導で前衛はミスをしてはいけないという意識が刷り込まれる
- バックハンドのセカンドレシーブもミスが怖くて振れなくなる(イップスではない)
- 強豪校との練習試合でイップスの発症するフォアを徹底的に狙われ惨敗、トラウマに
- これがきっかけとなり、2番手に落としてほしいとコーチに言う
- 2番手になりポーチボレー特化型の攻撃的プレースタイルに変更すると勝率が上がり自信を取り戻す
- 高校三年間でもイップスは改善しなかった
社会人になりイップスがさらに悪化する
- 試合になるとフォアハンドでイップスが発症するのは高校時代と変わらない
- 身内との練習試合でもイップスが発症するようになる
- フォアのアンダーサーブでもイップスが発症するようになる
- 大会で緊張する場面だとサーブトス(左腕)がこわばるようになる
僕は18年間イップスで苦しみましたが、普通に練習しているだけでは全く治りませんでした。
むしろ、年々ひどくなる一方でした。
しかしイップスについてソフトテニス・硬式テニス・野球などの動画を見て調べ試行錯誤を続けることでかなり改善されました。
どのように改善していったかについては別記事で紹介する予定です。
良かったらそちらも参考にしてみてください。
以上
ありがとうございました。