ソフトテニス技術・指導

【イップス対策まとめ】ソフトテニスのイップスを治すためにやった対策・改善方法14を紹介

みなさんはソフトテニスで身体の感覚がなくなるイップスに苦しんだ経験はありませんか?
僕は中学の時にイップスを発症しそれから約10年苦しんできました。(ブランク期間は除く)
昨年ソフトテニスを再開したことをきっかけに自身のイップスを改善しようと

  • ソフトテニスのイップス
  • 硬式テニスのイップス
  • 野球のイップス

の原因・対策を学び試行錯誤を繰り返すこと1年と半年。
少しずつ成果が現れ、先日出場した大会ではほぼ自分の実力が出せたと感じるほどです。
一生治らないと思っていたイップスが治せるということを知りました。

今回は僕の経験をもとに

  • イップスのとは?
  • イップスに当てはまる人の特徴
  • イップスの改善策

をご紹介します。
すぐに改善できることではありませんが、対策していけば少しずつ良くなることは間違いないと思います。
指導者の方も練習と試合でプレーが全然違う子がいて悩んでいる方も良ければ参考にしてください。

それではどうぞ。

こんな方におすすめ

  • ソフトテニスでイップスに悩んでいる方
  • 試合になるとミスが怖くなり、ラケットを振れない方
  • 試合で自分のポテンシャルを最大限に発揮したい方

目次

1.ソフトテニスのイップスとは?

ソフトテニスのイップスとは、練習やランダでは普通に打てるのに試合になると腕の感覚が無くなり、いつも通り打てなくなる現象です。

少し緊張してミスしてるだけなんじゃないの?

もちろん僕の体感では少し緊張してミスしている方がほとんどですが、イップスの場合は普通の緊張とは違います。

緊張とイップスの違い

  • 緊張している場合:ラケットは振れているが、緊張でいつもの打ち方と少し感覚がずれネットやアウト(入らない)
  • イップス:腕の感覚がなくなり、ドライブの掛け方や力加減が分からなくなる・ボールを打つ前からラケットを強く振れば特大アウトするのが分かる(打てない)

というイメージです。

さらに詳しく

イップスはゴルフ界で生まれた言葉です。
パターを外した時の大きなショックがきっかけでそれ以降いつも通りのパッティングができなくなる現象をイップスと呼んでいました。
それが野球やテニス、バドミントンなどのスポーツに派生していきました。

2.ソフトテニスのイップスの特徴

次に当てはまるとイップスの可能性が高いです。

  1. フォアハンドストロークで症状がでる
  2. フォアハンドのセカンドレシーブで症状がでる
  3. アンダーのセカンドサーブで症状が出る
  4. ボレー、スマッシュ、バックハンドは出ない
  5. サーブのトスで症状が出る
  6. 練習では打てるが、試合で出る(もしくは両方)
  7. 経験年数が長い上級者に出る(初心者には出ない)
  8. 真面目な人に出る

ちなみに僕は⑦以外(上級者ではない)は全て当てはまりました。

イップスの人ってどれくらいいるの?

ソフトテニスのデータが出てきませんがゴルフと野球では

  • ゴルフ 熟練のゴルファーの1/4
  • 野球 約30%

がイップス、もしくはその可能性があるとのことです。
症状に差はあると思いますが、ソフトテニスも同じくらいイップスの方がいるかもしれません。

3.イップスあるある 当てはまればイップスかも?

僕のイップスの経験を元に書いてますが、ソフトテニスでイップスの悩みをネットで調べるとよく同じ内容がヒットします。
気持ちがわかる方はイップスの可能性が高まります。

3.1フォアのセカンドレシーブで強気で振ろうとすると打つ前からアウトするのがわかる

高校生の頃、よくコーチからレシーブを

強気で振ってけ!

応援席からは

レシーブ強気ー!強気ー!

と声が聞こえてきます。

しかし、このままラケットを強気で振ったらフェンス直撃くらいアウトするというのが打つ前から分かるんです。

腕の感覚がなく、どうやってラケットを振ってドライブをかければいいか分からないからです。

でも失点はしたくありません。だからフワっと入れに行ってしまうんです。

3.2上からのファーストサーブのレシーブの方が良い

上からのファーストサーブのレシーブの方が良いボールが打てます。

相手のボールにパワーがあるので、タイミングを合わせて振れば力を入れなくても良いボールが返りやすいです。

応援席や顧問の方からは、僕がレシーブの時は

相手のファーストサーブが入るとホッとするね

なんてことも言われてました笑

3.3セカンドのアンダーサーブがほぼ無回転のフワッと高め

セカンドのアンダーサーブも腕の感覚が分からなくなります。

(このまま打ったらダブルフォルトしそう・・・でもとにかく入るように入れなきゃ)

と考えて打った結果、すごい高めのフワッとしたサーブが入り、相手にチャンスボールを献上してしまいます。

(浮き過ぎた・・・次は気を付けないと)

と思うとダブルフォルトします。

3.4トップ打ちで自コートでワンバウンド

ネットより少し高いくらいのボールのトップ打ちになると

(少し上に打たないと、でも思い切り打つとアウトするかも)

と考えて振った結果、イップス発症で腕の感覚が分からなくなり2m先の自コートでバウンド・・・

野球のイップスでもボールの送球時に地面に向かってボールを投げてしまうことがあるようです。

これが僕のダメな時のトップ打ちにそっくりだったんです。

それから野球のイップス動画が参考になるかもと思い、積極的に勉強するようになりました。

3.5後衛から前衛へ転職

後衛でイップスを発症すると試合で勝つのが難しいです。

しかし、前衛ならサーブレシーブを乗り切ればボレー、スマッシュ、駆け引き力である程度勝ち上がる事ができます。
このことから前衛にポジションチェンジする人も多いです。
イップスを発症している前衛はフォアのレシーブを嫌うのでてバックハンドでレシーブをします。
するとレシーブ時に体がコートの中に入りその後のポジション取りが早くできるというメリットがあります。

上記のメリットから前衛でバックレシーブはコーチから評価されることもあります。

僕はソフトテニスのブランク期間も含めると中学生から現在の社会人まで約18年間イップスに悩まされてきました。

そして年々症状は悪化していき、学生時代はとてもつらい思いをしました。

そんな僕の苦しかった頃のイップスについて詳しく知りたい方は次の記事に体験談をまとめています。

良かったら参考にしてください。

【体験談】18年苦しんだソフトテニスのイップス実体験を紹介

ソフトテニスの試合で緊張して思うように打てず悩んでいませんか? それはもしかするとイップスという運動障害かもしれません。 僕は18年間、試合でフォアハンドの感覚が無くなることに悩んでいましたが、それが ...

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4.イップスの改善・対策方法14

ソフトテニスのイップスの改善・対策方法は次になります。

ソフトテニスのイップスの改善・対策方法14

  1. 動画で練習時の打ち方を確認
  2. 動画で試合時(イップス発症時)の打ち方を確認
  3. 違いをリストアップして試合時の対策をたてる
  4. 練習で『普段の打ち方』の理解をさらに深める
  5. 緊張が和らぐ方法を実践する
  6. 1ゲーム目を自分の状態と相手のプレースタイルの確認と割り切る
  7. 『普段の打ち方』を大げさに意識して打っていく
  8. とにかくポジティブに捉える
  9. リスクのバランスを考え攻める
  10. 打つ前にイップスが出たら無理して打たない
  11. 各ポイント間、ゲーム間で許される時間を心を落ち着かせ、方針を決める時間に使う
  12. 天候状況に合わせて対策を決めておく
  13. 試合前に決めたことをいつでも確認できるようメモを準備しておく
  14. 普段から練習→試合ではなく、最初に試合をする

①動画で練習時の打ち方を確認

自分の練習時やランダ時の動画を撮影します。
そして自分が普段どのようにボールを打っているかを細かく書き出します。

(例)セカンドレシーブでイップスが発症している場合

  • ボールとの距離感はどれくらい?
  • テイクバックはどのへん?
  • 腰はどれくらい落とす?
  • ラケットはどのタイミングで振り出す?
  • インパクトの際はどんな面
  • インパクト時の肘の位置は
  • インパクト後の面の動き
  • フィニッシュのラケットの位置は?

などかなり細かく書き出して自分がどうやって普段ボールを打っているのか言葉で理解しましょう。

②動画で試合時の打ち方(イップス発症時)を確認

自分の試合を撮影し、イップスの症状が出ているとどんな打ち方になっているか細かく書き出していきましょう。
先程書いた練習の時の打ち方と比較しながら違っている点を見つけてください。
それがイップスを治すために重要なポイントの1つとなります。

③違いをリストアップして試合時の対策をたてる

試合になると普段とどういう風に打ち方が変わっているか少し分かったと思います。

次は試合中にどうすれば普段の打ち方ができるか、先ほどリストアップした普段の打ち方とイップス発症時の打ち方を比較して考えていきましょう。
例えば

普段の打ち方

  • 腰を落として打っている
  • フォームが大きい
  • 体重移動ができている
  • ボールとの横の距離感は脇にボール1個分くらいの距離

試合時の打ち方(イップス)

  • ボールのバウンドの高さが腰くらいの時に発症する
  • 全然腰を落としていない
  • フォームが小さい
  • 体重移動があまりできておらず、手打ちになっている
  • 横の距離感が遠い、脇がボール3個分くらい開いている
  • ラケットのスイング始動がいつもより早い、体重移動前
  • 打点が前すぎる

このように違いが分かれば試合の時にできていない部分を練習の時の打ち方に戻すよう対策をたてていきます。

試合で普段通りの打ち方をするための対策

  • 腰をしっかり落とす
  • フォームを大きくする
  • ボールをしっかり引きつけて打つ
  • 体重移動をしてからスイング
  • 横の距離感を左手で意識して調整する

このように試合で出来なくなっていることを客観的に理解し、『普段の自分の打ち方』へと意識して近づけていくことがイップスの改善に繋がります。

④練習で『普段の自分の打ち方』の理解をさらに深める

練習では試合でイップスを発症する場面を意識し、さらに『普段の自分の打ち方』の理解を深めます。

練習方法はなるべく試合と似ている場面でゆっくり難易度を上げていくのが良いと思います。
例えばフォアのセカンドレシーブが苦手な場合は
レシーブをする大体の位置でボールをその場でポトンと落として打ちます。
この時に練習時の打ち方リストを見ながら

  • テイクバックはこの辺で
  • このタイミングでラケットを振り出して
  • インパクトはこの辺で
  • 面はこんな感じで当たって

など細かく確認して理解を深めていきます。
ここで自分の打ち方に抜けている項目があればどんどん追記していきましょう。

慣れてきたら次は少し離れたところから手投げしてもらい打ちます。
どのくらい近づいて打っているかを左手で距離感を測りながら打ちましょう。

最後に実際にセカンドサーブを打ってもらってレシーブしましょう。
今までの普段の自分の打ち方を1つ1つ意識しながら打ちます。
そして試合の時も1つ1つを細かく意識して練習と同じようにスイングできれば間違いなく普段の自分の打ち方ができるはずです。

ここでしっかり練習し、この考えを持って試合には自信を持てるようにしましょう。

⑤緊張が和らぐ方法を実践する

大会では緊張が和らぐ方法を実践します。
僕が実施しているのは次の2つです。

  • 筋弛緩法(お腹にグッと力を入れて一気に解放する)
  • 深呼吸

筋弛緩法は試合開始前がおすすめです。
あまり疲れている状態で何度もやるとお腹をつる場合もあるので注意しましょう。

深呼吸は色んなタイミングでやりやすいので緊張する場面では都度やっていきましょう。

  • 1ゲーム目
  • プレッシャーのかかる場面
  • 自分のサーブのタイミング

など様々な場面でやりやすいです。

ただしポイント間の時間には注意が必要です。

ポイント後、20秒以内にサーブを打たないと警告される恐れがあります

これだけで緊張が完全に解ければラクなんですけど、それができたら苦労はしません。
でも普段の打ち方をするための一助にはなると思います。
ルーティンに取り入れてみてください。

⑥ 1ゲーム目を自分の状態と相手のプレースタイルの確認と割り切る

1ゲーム目は自分の状態と相手のプレースタイルの確認に徹し、自分がイップスをあまり発症しにくいボールを軸にゲームを進めます。

すぐミスをしてしまうとあまり体を動かせないままゲームが進んでしまうからです。

僕の場合、1ゲーム目は特にロブ多めの展開でラリーすることを決めておきます。
この時、なるべく当てるだけにならないよう高くドライブ回転を意識し振り切るようにします。
バックアウトになるかもしれないという不安に対しては、アウト分さらに上へ打ち上げるんだという気持ちで打っていきます。
しっかり足を動かして、こちらのミスで終わらない、キツイ時は相手に決めてもらおうという気持ちでとにかく走って返します。
そのうちに体が温まって少し緊張から解放されラケットが少し振りやすくなる場面が出てくると思います。
自分が自信を持って振れる時に攻めましょう。
そしてラリーが続けば続くほど相手のプレースタイルが見えてくると思います。

最初から「ラケットを振ってけ」という指導者の方もいると思います。
僕の指導者がそうでした。
しかし僕はそれでは全く改善しませんでした。
今思うと『ラケットを強気で振っていくことが正しい』と思いすぎて、それがさらにイップスを助長させていたような気がします。

⑦『普段の自分の打ち方』を大げさに意識して打っていく

『普段の自分の打ち方』を大げさに意識してボールを打ちましょう。

  • 普段は腰落として打ってるからいつもより意識して落とそう
  • 試合だとテイクバックが小さくなりがちだから、いつもより大きめにしよう

というように大げさくらいがちょうど良いです。

試合になると緊張して、自分が思っている以上に縮こまっていることが多いからです。

大きく体を動かす方が体も温まりやすいです。

1ゲーム目は特に大げさを意識するのがおすすめです

⑧とにかくポジティブに捉える

『普段の自分の打ち方』を意識してボールを打とうにもいきなり100点で打てたら苦労しません。
しかし色々なことを試しながら意識して打った時に

今の感触は少し良かったかも

という瞬間がどこかで必ずあると思います。
それがたとえ10点でも

少しずつだけど良くなってる、この調子だ

と自分を褒めてあげてください。

マイナスなことを考えると自信が無くなって動きが小さくなってラケットを振れなくなってしまうからです。

ダメな時はしっかり割り切って次のポイントに集中しましょう

⑨リスクのバランスを考え攻める

相手のプレースタイルが分かってくると、リスクをとって強いボールを打たなくても勝てることがあります。
例えば

相手の弱点になりやすい特徴

  • 相手後衛のバックを狙えばチャンスボールが上がってきやすい
  • 相手後衛の足が遅い
  • 相手前衛のローボレーが弱い
  • 相手前衛のスマッシュの精度が悪い

こういった場合、とにかくロブで相手を走らせてミスを誘ったり自分の前衛にボレーやスマッシュで決めて貰えば勝ちが見えてきます。
イップスを発症しているのに精度の低いトップ打ちや全力スイングで強いボールを打つ必要はありません。
今安定して打てるボールでラケットをなるべく振り切って攻めていくのがおすすめです。

逆に相手が強い場合は、リスクをとって少しずつ攻めていきましょう。

⑩打つ前にイップスが出たら無理して打たない

僕はイップスが出ると腕の感覚がなくなり、シュートボールを打つ前からバックアウトになるのが分かります。
なのでチョンって入れにいったりロブを打ってしまうんですが、入れに行くこと自体が悪いことではありません。
とりあえずボールは相手コートに返るので、そこからの展開でポイントを取れる可能性が十分あるからです。
問題は打つ前の入りがすでにいつも通りでないことです。
なのでボールを打つ時に強くラケットを振るとアウトになることが分かるんです。
改善するなら打つ前のボールの近づき方やテイクバック、距離感を『普段の打ち方』に近づけましょう。

⑪各ポイント間、ゲーム間で許される時間を心を落ち着かせ、方針を決める時間に使う

大会によって違いますが基本ポイント間20秒、ゲーム間1分の時間があります。
せっかく時間があるのにすぐプレーを始めるのはもったいないです。
心を落ち着かせるために深呼吸をしたり、断片的でも良いので相手の苦手そうなところを整理する時間に使いましょう。

さらに詳しく

ポイント間・ゲーム間の時間は規定されているものの、ソフトテニスではそこまで厳しくありません。現に僕が学生だった頃にチェンジサイズで体感2分くらいはコーチングを受けていた気がします。それでも警告されたことはありませんし、他に警告をされたという選手を聞いたことはありません。実際にボールが遠くへ行ってしまい仕方なく遅くなってしまう場合もあります。天皇杯の試合なども見ているとポイント間20秒を超えているシーンも見かけます。現状、故意でなければある程度の時間オーバーは許容されています。

⑫天候状況に合わせて対策を決めておく

ソフトテニスは天候によって普段は入るボールがアウトになったりネットになります。
雨が降ったり、風が強かったりと対応力が求められるスポーツです。
ここの対策ができていないと、試合の時に

  • 今日は風が強いからアウトしそう・・・
  • 今日は雨が降っているからボールがふいてアウトしそう・・・

と不安になってイップスを発症しやすくなってしまいます。

僕は自分が運営しているテニスサークルの練習日は開催・中止の判断をするために、普段からyahooの天気予報アプリで雨雲・風レーダを利用しています。そのため

  • 雨が何mm降ればソフトテニスではどれくらいの影響があるか
  • 風速が何m以上あればソフトテニスでどれくらいの影響があるか

が大体分かるようになりました。

大会の日は風レーダは2日後の予測まで観ることができるので、風速から大会当日の試合展開を予想して対策を決めておきます。

下記は参考にしてください。

風上の対策

  • 浅めのボールを意識して打つと良い深さになる
  • 当てるだけのロブだと風で流されてアウトになるの振り切って打つ
  • 振り切って打つのが怖いなら、最初は相手後衛前に半シュート・中ロブを意識して振り切る
  • 相手ボールは風で戻されて浅くなりがちなのでいつもより前進守備
  • スマッシュは風で流されるので追うのは難しい

風下の対策

  • ラケットを強く振ってもインになりやすいのでいつもより自信が持てる
  • ドロップが少し深く入っても風で戻されて決まりやすいので打てる時は積極的に
  • 相手が風上が苦手な場合ミスしやすいので、無理して攻めない

雨の対策

  • ドライブをかけすぎるとボールが吹く
  • 吹くことを考慮して風上の時と同じ打ち方もアリ
  • ツイストやカットストロークが有効
  • スマッシュは雨が目に入り見にくいのでハイボレー切り替え

というように対策が立てれます。

普段から風や雨を想定したボールを打つ練習をしておかないと厳しいです。

特に風上の時を想定した打ち方はしっかり練習しておきましょう。

 

⑬試合前に決めたことをいつでも確認できるようメモを準備しておく

これまで決めたことを忘れないよう大会にはメモを準備しておきましょう。
試合の時に確認できるならスマホでも構いません。
緊張対策、普段の打ち方、1ゲーム目の考え方、天候状況に合わせた対策・・・など書き漏らしのないようにしましょう。

僕はメモを準備せずに失敗したことがあります。
試合前にイップス対策を色々考え頭に入れていたのですが、大会で試合に入るとイップスでうまく打てない焦り・疲れ・相手にリードされているプレッシャーで
「自分の普段の打ち方をするんだ」

ということしか集中できず負けてしまいました。
イップス的には少し改善が見られた試合でした。
けれど試合を思い返すと

  • 相手後衛のフォアハンドのドライブが少し斜めでスネイクのように少し曲がってくる
  • 正クロスでラリーすると外に切れてくるフォアハンドが強烈で自分の後衛がチャンスボール
  • 相手前衛がチャンスボールをスマッシュで決める
  • 相手の後衛はバックハンドが苦手でバック側は当てるだけのロブで返ってくる

という状況でした。

これらの特徴を考えると

  • 正クロス展開での打ち合いは避ける
  • ストレート展開
  • 相手のバックハンド狙い

という対策をしていくだけで展開が大きく変わっていた気がします。

以後の大会ではスマホにメモをしておき、試合直前には必ず確認しています。

そうすることでイップスだけで頭がいっぱいにならず、気持ちに少し余裕が出て視野が広くなりました。

⑭普段から練習→試合ではなく、最初に試合をする

普段から練習→試合ではなく、最初に試合をすると大会の時の調整力がアップします。
普段の練習では

ランダ→前衛後衛練習→サーブレシーブ→試合

のように万全にアップした状態で試合に入りますよね。

しかし大会では

朝一のランダ→開会式→時間が開く→試合

というのが一般的だと思います。
朝一のランダから少し間が空いてしまうので不安になることも。
普段からすぐ試合に入れば、サーブやストロークも当然安定しないでしょう。
これが試合前のメンタルに悪い影響を及ぼし、イップスを助長させる原因の一つだと考えています。
でも大会ではそれが普通です。
その状況でどういう風に打てば入るかをしっかり試行錯誤します。
そしてなるべく早い段階で自分のポテンシャルを発揮できるようにしましょう。
ソフトテニスはショートゲームと呼ばれるくらい他のスポーツと比べて試合が短いです。
この能力が高いほど大会で上位入賞しやすいと思います。

僕は普段の練習では

1時間初心者に教える➡試合

の流れで日々ソフトテニスを楽しんでいるのですが、初心者に教える一方で自分の練習はせずに試合に入ります。
なので最初はファーストサーブが全然入らない・体が温まっておらず動きがぎこちないなど仕方ないなと思っていたんです。
しかしこのシチュエーションはよく考えると大会の時と似てると思い

「どうやったら自分を一番良い状態に早く持っていけるかやってみよう」

と思って試行錯誤しながらやってみました。
そうするとサーブ一つでも

  1. ネットフォルトしてしまった
  2. 面が下向きすぎ➡高い打点から面の向きを注意してとにかくネットを超えるように
  3. ネットを超えるがフォルト
  4. ➡ドライブが甘い・面の当たりが少し厚い、ネットを超えたから次はドライブをしっかり掛けて落ちるように
  5. それでもフォルト
  6. ➡次は立つ位置を少しサイド側にずらしていき
  7. ・・・・
  8. それでも入らなかったら最終的にアレーコートのインよりに立ち
  9. 角から角(サービスコートのサイド側の角)を割と自分のフルパワーで狙ってサービスエースを獲るつもりで打つ。
  10. 入り出したらいつもの立ち位置に少しずつ戻す

こんな感じで調整方法を自分で編み出します。

ここまで入らなかったのは1回しかありませんが、こうなったらこうする」というのを試合前に事細かに決めておくことがイップスを改善するにはかなり有効的だと思います。

まとめ

ソフトテニスのイップスとは

練習やランダでは普通に打てるのに試合になると腕の感覚が無くなり、いつも通り打てなくなる現象です。

  • ただ緊張している場合:ラケットは振れているが、緊張でいつもの打ち方と少し感覚がずれネットやアウト(惜しい)
  • イップス:腕の感覚がなくなり、ドライブの掛け方や力加減が分からなくなる・ボールを打つ前からラケットを強く振れば特大アウトするのが分かる

ソフトテニスのイップスの特徴

  1. フォアハンドストロークで症状がでる
  2. フォアハンドのセカンドレシーブで症状がでる
  3. アンダーのセカンドサーブで症状が出る
  4. ボレー、スマッシュ、バックハンドは出ない
  5. サーブのトスで症状が出る
  6. 練習では打てるが、試合で出る(もしくは両方)
  7. 経験年数が長い上級者に出る(初心者には出ない)
  8. 真面目な人に出る

イップスあるある

  • フォアのセカンドレシーブで強気で振ろうとすると打つ前からアウトするのがわかる
  • 上からのファーストサーブのレシーブの方が良い
  • セカンドのアンダーサーブがほぼ無回転のフワッと高め
  • トップ打ちで自コートでワンバウンド
  • 後衛から前衛へ転職

イップスの改善・対策方法14

  1. 動画で練習時の打ち方を確認
  2. 動画で試合時(イップス発症時)の打ち方を確認
  3. 違いをリストアップして試合時の対策をたてる
  4. 練習で『普段の打ち方』の理解をさらに深める
  5. 緊張が和らぐ方法を実践する
  6. 1ゲーム目を自分の状態と相手のプレースタイルの確認と割り切る
  7. 『普段の打ち方』を大げさに意識して打っていく
  8. とにかくポジティブに捉える
  9. リスクのバランスを考え攻める
  10. 打つ前にイップスが出たら無理して打たない
  11. 各ポイント間、ゲーム間で許される時間を心を落ち着かせ、方針を決める時間に使う
  12. 天候状況に合わせて対策を決めておく
  13. 試合前に決めたことをいつでも確認できるようメモを準備しておく
  14. 普段から練習→試合ではなく、最初に試合をする

個人的には技術的な対策・改善、試合に対する戦略を事細かに考えていくことがイップスの治療に一番有効だと考えています。

僕がこれらのイップス対策をどのようにやっていったか具体的に知りたい方は体験談として次の記事にまとめています。

良かったらこちらも参考にしてみてください。

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以上

ありがとうございました。

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