ソフトテニスの試合でフォアハンドが緊張して打てない、入れに行ってしまうイップスの症状に悩まされたことはありませんか?
中学生、高校生は2年半と短い部活期間ではかなり深刻な問題です。イップスが少しでも改善されれば勝てる試合も増えるはずです。
僕は中学時代からイップスを発症し現在までで約18年悩まされてきました。
何とかしたいと思い、この2年間はソフトテニス・硬式テニス・野球の動画などを見てイップスの治療と向き合い練習し、先日の大会では普段の自分がほぼ出せていると実感できるほど改善されました。
今回は18年間イップスで苦しんだ僕がどのようにして改善していったか実体験をそのまま書いていこうと思います。
現役で頑張っている学生さんや社会人、趣味でやっているがイップスで悩んでいる方の参考・改善のためのヒントになればと思います。
こんな方におすすめ
- イップスで悩んでいる方
- イップスの子の指導で悩んでいる方
- イップス改善の体験談を知りたい方
目次
自分の普段の打ち方と緊張時の打ち方を知る【5カ月間】
自分の普段の打ち方を細かくリストアップする
試合になると打てないということは『試合で普段の打ち方ができていない』もしくは『自分の普段の打ち方を理解していない』ことになります。
なのでまず普段どのようにして打っているのか自分の壁打ちをスマホで動画撮影し、細かくリストアップしていきました。
- テイクバックの位置
- どのあたりでボールをとらえて
- 腰はどれくらい落として
- スイング後のラケットの位置
- スイングの軌道
- 左手の動き
- インパクト時の右ひじの位置
自分の普段の打ち方をなるべく細かく認識することが大事です。
試合では緊張した状態でも一つずつクリアしていけばいつも通りのボールが打てるはずだと考えました。
市民大会へ出場、試合の動画を撮影し緊張状態での打ち方を確認する
市民大会へ出場する機会があったので動画を撮影しました。
試合ではやはり右腕の感覚が無く、どうやってドライブをかければいいのか分かりません。
それでも
- 腰を落とす
- ボールに対する左手の位置
- テイクバックの位置
など普段の打ち方を意識してみましたが全くダメでした。。
大会が終わった後、動画を見返すと普段の打ち方との違いがかなり出てきました。
- 腰の位置が高い
- テイクバックが小さすぎる
- 右ひじの位置がいつもより狭い
- ボールとの横の距離感が近すぎることが多い
- スイングが当てるだけになっている
普段の打ち方を意識して試合に臨んだはずでしたが、実際試合では全然違う打ち方になっており自分でも驚きました。
自分でできていると思っていても、動画で確認すると全然ダメだったことに気づけたのはイップスの改善に大きく一歩踏み出せた気がしました。
ココがポイント
動画だと緊張時の状態を客観的に確認できるのでかなりおすすめです。イップスで悩んでいる方はぜひスマホなどで動画撮影してみてください。
試合中どうやったら普段の打ち方ができるかイップス対策をたてる
練習時の打ち方と緊張状態での違いが分かったので、次はどうやったら試合で普段の打ち方ができるか具体的な対策をたてていきました。
試合で普段の打ち方を自分なりに意識していても、動画で確認すると全体的に動きが小さくなっていることが多いです。
なので試合ではここで立てた対策を大げさにやることが大事です。
この時点ではとにかく先に挙げた点を全て改善すればその感覚がなくなるかもしれないと思い練習に取り組むことにしました。
普段の練習でイップス対策を意識しながら打つ
- 「試合で緊張しているときは腰の位置が高すぎるからこの辺で」
- 「テイクバックはこの辺で」
- 「ボールとの距離感がおかしいから普段から左手でボールを掴むように近づいて」
このように今まで無意識でやっていたことを言語化し練習しました。
練習の試合でもフォアのセカンドレシーブは『振ったらアウトするのが分かるから振れない感覚』が出てしまいどうしてもラケットを振ることができません。
それでも
- しっかり腰は落として打てている
- テイクバックは大きい
- 距離感も少しは良くなった
など「試合で普段の打ち方に近づけているんだ」とプラス思考で練習に取り組みました。
まだ全然成果は出ていませんが嬉しい・ソフトテニスが楽しいという気持ちになったのを覚えています。
ココがポイント
ほんの少しの進歩でもポジティブに考えることもイップスの改善には重要です。
フォアハンドの様々な打ち方を学ぶ【4カ月間】
硬式テニスのイップスの方の動画を参考にする
イップスについて調べていると、ある硬式テニスの動画がヒットしたので見てみることに。
そこで参考にさせてもらったのが
- ボールの絵柄を見て打つ
- 打つ時に声を出す
この2つです。
ボールの絵柄を見て打つというのはガチガチで緊張して打つよりも、別のところに意識しながら打った方がリラックスして打てるというです。
打つ時に声を出すのも同様の理由だと思います。
言っていることは何となく分かる気がしますが、やってみると10球に1球くらいの体感です。
それでもイップスが発症した時の対処法が増えることで困った時の安心感が違います。
こういう小さな積み重ねもイップス改善には重要です
元プロ野球選手のイップスに対する考え「技術7割・メンタル3割で治せる」
テニス以外のスポーツのイップスで次に思いついたのが野球です。
元プロ野球選手の対談動画でもテーマがイップスのものも多く、イップスに対しての治療の取り組みはソフトテニスに比べ圧倒的に進んでいると感じます。
色んな動画でイップスに対する様々な治療の考えを聞きました。
- イップスのやつは自分の投げ方を理解していない
- 試合の時にどんな投げ方をしているかも理解していない
- イップスは技術7割・メンタル3割で治せる
- 練習した投げ方が試合で緊張して投げれないのなら、試合で投げれる投げ方に変えれば良い
まとめると、イップスのほとんどが技術面からのアプローチでかなり改善される可能性が高いということです。
これらの考えを今の自分に当てはめて考えた時
『フォアハンドはドライブをかけて打つ』と何となく決めつけていたということに気づきました。
わざわざイップスが発症するドライブをかける打ち方をしなくてもいい。
状況に応じて自分が打てる打ち方をすればいいんだと考えられるようになりました。
ソフトテニスYoutubeで様々な打ち方を学ぶ
野球のイップスの治し方から、シュートボールにこだわらずフォアハンドの色んな打ち方を学んでいこうということで
- ツイスト
- 脇締め一本打ち
- 半シュート
- トップ打ち
この4つの打ち方をソフトテニスのYoutubeを見て実際に練習しました。
特に手応えを感じたのはツイストと脇締め一本打ちです。
ツイストは水間選手のツイストの打ち方解説動画を参考にしました。
『緊張した時でも打てるように体重移動でラケットを振る』というツイストの打ち方で、試合で右腕の感覚がなくなる僕にはピッタリの打ち方だと思いました。
右腕はほぼ固定で体の横方向(右から左へ)に体重移動してラケットを振ります。
あとはどのくらいの力で当てればどれくらいボールが飛ぶのかをひたすら練習しました。
脇締め一本打ちはボールと横の距離感が試合で特におかしくなる僕にとっては効果的でした。
試合では横の距離感がおかしい場面が出てきたら、実際に右ひじを左手で固定してレシーブします。
周りからすれば変な打ち方ですがうまくボールが返球できることもあります。
調子の悪い時に良い方向へ持っていくための打ち方として使えると思いました。
半シュート・トップ打ちについては、自分が今まで我流でやってきたことを動画で勉強し練習しました。
どちらの打ち方も前衛である以上、試合で打つ機会はほぼありません。
けれどレシーブのフォアハンドの打ち方とはまた別の感覚があり、もしかしたら試合ならこの打ち方はできるかもしれないと思えました。
イップス対策を考え市民大会へ、新しいイップス発症もツイストを打てるように
普段から試合の時のイップスを意識しながら練習してきましたが、フォアハンドのセカンドレシーブでイップスが発症するのは変わりません。
僕は緊張を緩和するため学生の頃から声をよく出してプレーしていたのですが、それを見ていたおばちゃんから
相手を威圧するような声の出し方は違反だ
と言われました。
そんな相手を煽るつもりも無いのですが、市民大会の温度感もあり声を出すことを禁じられました。
今までそんなことは無かったので、メンタル的には極度の緊張に。
すると新たにファーストサーブのトスでイップスが発症し、変な方向へいきフォルトを連発。
僕はセカンドのアンダーサーブでもイップスが発症するのでダブルフォルトをこの試合だけで3~4本してしまいました。
ペアの後衛の活躍で試合には勝ちましたが、今後はこういった場面も想定して練習しないといけないと反省しました。
ただ悪い事だけではなく、練習してきたツイストを試合で使えました。
打ち方はスライス回転をしっかりかけるものではなく、ラケットはあまり振らず体重移動でボールに優しく当てるイメージでネット前に落とします。
意表をつけば十分決まりますし、決まらなくてもチャンスボールは上がりやすく次に繋がりやすいです。
どれくらいの体重移動でボールを当てたらどれくらいボールが飛ぶかを意識してツイストを練習していたおかげだと思います。
緊張しても打てる打ち方の練習・初対面の人と練習で試合【8カ月間】
緊張しても打てる打ち方を知る
普段の打ち方を試合でもできるようにすることを目指していましたが、なかなか改善されませんでした。
けれど前回の大会で新しく覚えたツイストは使えることが分かりました。
そこで普段の打ち方そのものを緊張しても打てる打ち方にしてしまうというのが良いと感じました。
フォアハンド
フォアハンドは身体の中心を軸に体重移動だけで打つことを意識します。
腕にはあまり力を入れません。
体重移動の勢いでラケットをスイングし、インパクトのタイミングでグッと右手に力を入れます。
インパクト後はしっかり面を被せドライブ回転を意識します。
イップスが出ると、このドライブをかける感覚が一番なくなります。
なので普段からこの部分の素振りをよく行い、試合ではレシーブ前に念入りに素振りします。
フォアのアンダーサーブ
水間選手のツイストの打ち方からヒントを得たのですが、ラケットを体重移動で横方向に振ります。
腕にはほとんど力を入れず、インパクトの瞬間だけグッと右手に力を入れ打ちます。
ここでさらに試合で使えるよう
『サーブを打つ前に2回アンダーサーブの素振りを忠実に行う』
というルーティンを加えます。
その素振りの流れでサーブを打ちます。
これは『普段通りのスイングをすれば試合でも同じように打てる』という今までやってきたイップス対策を利用しました。
実際の試合で普段通りのスイングを打つ直前で行い、そのスイングの感覚が消えないまま3回目のスイングでサーブを打ちます。
打つまでに5秒程度と時間はかかりますが、ダブルフォルトするよりは良いです。
ファーストサーブのトス
前回の大会で極度の緊張状態だとファーストサーブの時に左腕の感覚がなくなりトスが安定しなくなることが分かりました。
なのでトスをしっかり膝を使って上げることにしました。
膝を使ってトスを上げるので、上がった後もう一度膝を曲げて溜め打つ形になります。
無駄な動きに見えるかもしれませんが、僕は緊張したらトスが乱れるのが分かっているので割り切ってやっていこうと思いました。
初対面の経験者と練習で試合をする機会が増え、いつもより緊張する場面が増える
これは意図的にやったことではありませんが、僕が運営しているソフトテニスサークルに友達が新しい人を複数人連れてくることが増えました。
おかげで初対面の経験者と試合をする機会も増え、実際に試合をしてみるといつもより緊張しフォア系のイップスもしっかり発症しました。
このことから僕は大会という場面でも緊張しますが
面識がない方と試合をすると緊張する
ことを自覚しました。
なので大会に出るとめちゃくちゃ緊張するのって当たり前なんだと思いました。
大会の時の緊張と少し近い感覚で練習試合ができ、イップスも発症するので試行錯誤の機会が増えました。
ココがポイント
自分がどういった場面で緊張するのか具体的に分かれば普段の練習から緊張状態を意図的に作ることができます。この状態で練習できればイップスの治療に効果的です
自身の打ち方をさらに研究する・大会出場しイップスに改善が少し見られる 【2か月間】
フォアハンドのセカンドレシーブでネット付近かつバウンドの低いボールに苦手意識があることに気づく
フォアハンドのセカンドレシーブを普段どうやって打っているかさらに理解を深めようということで
- サービスライン付近、サイド寄り、ネット寄りの位置からその場でポトンと落として一本打ち
- この時、3つの高さ別(高・中・低)で打ちわける。
- ボールの高さが変わると普段の自分の打ち方がどう変化するのか、スイングの軌道を意識しながら打つ。
- 少し離れた位置から玉を手上げしてもらい反復練習。(サービスライン付近・サイド寄り・ネット寄り)
という練習をしました。
ここでネット寄りで一本打ちをすると、低いバウンドの時に「ネットしそう」と思い右ひじが少しこわばることに気づきました。
もちろん練習なら多少打ちづらくてもしっかり振っていけますが、10本打って3,4本はネットやアウトします。
僕はネットに近ければ近いボールほど苦手意識を持っており、それが試合になるとさらに緊張して打てなくなっているみたいです。
普段なら打てると思っていたのですが、そうでないということに気づくことで対策を立てられると手応えを感じました。
ココがおすすめ
テニスコート内で色んな位置で色んな高さのボールを打ってみることで自分でも気づいていない苦手なボールが分かることがあります。
普段の決められた練習だと気づけないことがたくさんあるのでイップスでない人にもオススメの練習です。
フォアハンドのセカンドレシーブで、いつも以上に引き付けて打つと右腕の感覚がたまに戻ることに気づく
練習の試合中、フォアハンドのセカンドレシーブで少し振り遅れてしまったことがあります。
でもその時、右腕の感覚があることに気づきました。
そこで普段通りの打ち方を意識してラケットを振ってみると自分でも納得するくらい良いレシーブを打てました。
その後の練習や試合で試行錯誤してみると、フォアハンドのセカンドレシーブ時に引き付けることを意識するとたまに右腕の感覚が戻ることが分かりました。
毎回とは言えませんが、打つ前から「このまま打ったらいつも通り良いボールが打てる」という感覚が練習の試合で感じられ、かなり嬉しかったのを覚えています。
おそらくですが、僕は高校の時から
と散々言われてきました。
そして
(振らなきゃ振らなきゃ)
と意識しすぎて試合ではかなり早いタイミングでラケットを振っていたんだと思います。
そのせいで打点がかなり前になり、体重移動もうまくできていません。
それに加えて緊張で右腕に感覚が無いのでドライブや力加減が分からず
「このまま打ったらアウトする」
という感覚になっていたのかなと思います。
僕は試合の時の自分の打ち方を動画で見たりして確認していましたが、この点に気づくまで1年以上の時間がかかりました。
もしかしたら自分以外の人にも相談して動画を確認してもらっていたらもっと早く気づけたかもしれません。
市民大会へ出場、イップスに改善がみられる
1年ぶりに市民大会へ出場しました。
そこで大きく改善できたことがありました。
試合で緊張することを前提にやってきた練習をそのまま試合でほぼ生かすことができ、上手くいくたびに体のこわばりが解けていく感覚がありました。
サーブトスの時の左手の感覚もポイントを重ねるごとに良くなっていきました。
試合は全部負けてしまったんですが、惜しい試合もあり個人的にこれは大きな進歩でした。
ダメだった点はフォアハンドのセカンドレシーブはやっぱり振れないという点ですね。
それでもここまでやってきたイップス対策をもっとやっていけばいつかフォアハンドがしっかり打てる日も近い、そう思える大会でした。
後衛になりイップスについての理解がさらに深まる・大会出場でイップスに大幅な改善が【3カ月間】
後衛でフォアハンドを打つ機会が増え、イップスが発症する・しない場面があることに気づく
3カ月後に後衛として大会に出場することになりました。
うちのサークルには初心者がたくさんいますが、どうも後衛不足かつ後衛がなかなか育たないという問題がありました。なので初心者は大会に出てもなかなか勝てていませんでした。
ということで久々の後衛で大会出場が決まったわけです。
後衛で出場するのは中学生以来であり、イップスでフォアハンドが打てないのは不安でしたが前大会でイップスの治療に手応えを感じていたので挑戦してみることに。
後衛として練習試合をこなしていくことで次のことが分かりました
- ゲームの始まりは体がガチガチになっていて序盤は特にイップスが発症しやすい
- イップスが発症した状態で無理に打とうとしてもネットやアウトになる
- サービスライン付近のフワっとしたボールはフォアハンドでポイントすることを意識して強く打とうとするとイップスが発症し打てない
- ラリー中に相手前衛が存在感を出すプレーや動きをするとフォアハンドのイップスのこわばりが増す
- 後ろにしっかり下がった状態かつベースライン付近のボールに対してはイップスが発症しない
イップスがどんな場面で発症するのか、また無理して打っても良くならないことも分かりました。
そして一番の収穫は『後ろにしっかり下がった状態かつベースライン付近のボールに対してはイップスが発症しない』ことです。
試合でまともなストロークを打てたことが何年ぶりか分からないくらいですごく嬉しかったです。
このことから僕はネットから離れれば離れるほど(これだけ距離があれば強く打っても入りそう)という感覚が自分にありラケットが試合でも振れるということに気づきました。
後衛としてイップスが出ることを前提に配球を考える
今まではイップスが出ることを前提に試合で打てる打ち方を考えていましたが、後衛となると打つ機会が前衛と比べかなり多くなります。
なので試合中の配球についてもあらかじめ決めておこうと思いました。
これまでの状況を整理すると
試合で緊張している状態
- ゲームの始まりは体がガチガチになっていて序盤は特にイップスが発症しやすい
- イップスが発症した状態で無理に打とうとしてもネットやアウトになる
- サービスライン付近のフワっとしたボールはフォアハンドでポイントすることを意識して強く打とうとするとイップスが発症し打てない
- ラリー中に相手前衛が存在感を出すプレーや動きをするとフォアハンドのイップスのこわばりが増す。
- ベースライン付近のボールはしっかりシュートボールで打てる
- ネットプレーでイップスは発症しない
これらと今までの経験をもとに1ゲーム目と2ゲーム目以降に分けて配球を考えていきます。
1ゲーム目の考え・配球
相手のプレースタイルについてはどこを確認するのか具体的にしておきます。
相手後衛で確認するポイント
- バックハンドが打てるか?
- ロブで走らせたときの足の速さ
- ボールの威力
- どんなボールが得意か?
相手前衛で確認するポイント
- ロブをスマッシュで追えるか?
- スマッシュの精度は?
- ポジション取りはサイド寄りか?
- ファースト・セカンドサーブで前に詰めてくるか?
- ポーチボレーに出てくるか?
2ゲーム目以降の考え・配球
2ゲーム目以降は体も動くようになりイップスが発症する場面が少し減ってきます。
そこで1ゲーム目で得た相手の情報を元にどうやって相手を攻めていくか考えます。
例えば
- 相手後衛がバックが苦手
- 相手後衛の足が遅い
- 相手前衛がロブを追ってスマッシュしてこない
という情報があれば
ロブ・中ロブを主体に相手後衛を走らせます。
あとは自分の前衛が上がってきたチャンスボールを決めるか相手の後衛のミスを待てば勝てる可能性が高いです。
そしてリスクを負ってシュートボールやパッシングしません。
もちろん相手のレベルが高くなればリスクを負って攻めるボールをどんどん打つ必要がありますが
僕にはシュートボール以外に
- ロブ
- 中ロブ
- ボレー
- ローボレー
- ハイボレー
- スマッシュ
- ツイスト
など前衛として培ってきたネットプレーを含めると攻めるボールはたくさんあります。
イップスが発症することも前提に、この中から相手のレベルに合わせて安定してポイントできそうなものをいくつか選べばいいと考えました。
大会前に不安要素をリストアップし対策をたてていく
イップスを前提とした打ち方・配球まで考えましたが、後衛として大会出場は18年ぶりでとても不安です。
そこで大会前に他にできることがないか考えた時、次の3つを思いつきました。
大会当日の天候の調査
週間天気予報をこまめに確認し、当日の天気を把握しておきます。
大会3日前になるとyahooの雨雲レーダで試合会場を細かく地点設定して風速を確認できます。
風速は3日前でも僕の経験上、当日1m/s変わるくらいなのでかなり精度が高いと思います。(場所によるかも)
雨が降るかはyahooの雨雲レーダでも1日前にならないと確認できません。
そして1日前の1時間ごとの雨雲レーダはかなり精度が悪いです。
それでも
- 晴れ
- 雨
- 雨が降るかも?
くらいは想定できます。
「大会の日は10時くらいから風が強くなるな・・・」
「11時くらいから少し雨が降るかも・・・」
と少しでも情報があれば事前に試合をイメージしながら配球を考えられます。
今回の大会では
- 午前9時頃までは風速2m/sなのでそこまで風の影響はない
- 午前11時頃から午後2時くらいにかけて風速4m/sとなり風上・風下を考慮しなければならない
ということが3日前には分かったので、当日の試合のイメージを事前にすることができました。
緊張を落ち着かせるための方法を徹底して考える
緊張を落ち着かせるための方法も具体的に考えてみました。
緊張を落ち着かせるための方法
- 試合会場や当日の天候などを想定して『1ゲーム目の1本目は絶対ロブを打とう』など試合のイメトレをする。
- 試合前や試合中にできるときは深呼吸する
- 1試合目が始まる前に筋弛緩法をする
- ポイント間は20秒、ゲーム間は1分を目安に時間をフルに活用する
先ほどの天候の情報なども踏まえた配球を1日以上前から考えて決めておくと1試合目の1球目の緊張感はだいぶ和らぐと思います。
深呼吸は効果があると言われているのでとりあえず・・・気休めです。
筋弛緩法は試合前にやります。
筋弛緩法とは?
息を吸いながら全身に力を入れ(10秒)、息を吐きながらゆっくり力を抜いていく(15秒)とリラックスしやすくなる
あとはゲームが始まったらポイント間の時間をなるべくフルに使い、頭の中を整理、深呼吸、素振りをしてゲームを始めます。(特に自分サーブの時)
これまで考えてきた対策を全てスマホのメモに書き、試合前・チェンジサイズの小休憩時に確認できるようにする
これだけ考えてやっていても試合で緊張するといっぱいいっぱいになってどこかが抜けてしまうのは分かっています。
なので今までイップス対策としてやってきたことを全てスマホのメモに入れていつでも確認できるようにしました。
後衛として大会へ18年ぶりに出場 フォアハンドのイップスに大きな改善がみられる
これまで色んなイップス対策を考え18年ぶりに後衛として大会へ出場しました。
結果はチームとしては準々決勝で敗退となってしまいましたが、個人成績は3戦全勝と自分でも驚く結果となりました。
出場した大会のレベルは高くありませんが、今までならイップスで打てず負けていた試合全てで勝ち切れたことはとても嬉しかったです。
試合内容は1試合目だけどんな感じだったか軽く紹介します。
1ゲーム目
1ゲーム目は自分の状態と相手の状態をよーく確認することに徹し、ロブだけをあげてとにかく走りました。
特にこちらが何かした訳ではありませんが相手のミスで1ゲーム目を獲ることができました。
1ゲーム目で相手のプレーを見て分かったことは
相手の後衛の特徴
- バックハンドは苦手
- 足は遅い
- フォアハンドを定位置で打たせるとパッシングやショートクロス~クロスへ強打
相手前衛の特徴
- ロブ主体のラリーでスマッシュを追ってこない
- サイド寄りのポジション
- ポーチに全く出てこない
- セカンドサーブでのサービスダッシュなし
2ゲーム目以降
1ゲーム目で得た情報をもとに配球を考えました。
2ゲーム目以降の配球
- 後衛をとにかくロブで走らせる
- 前衛はとにかく無視でパッシングも打たない
- 前衛がサイド寄りなのでレシーブでセンターに打ち、さらに後衛のバックを狙う
- 前衛セカンドサーブ時はレシーブで積極的にツイストを打つ
- 後衛に定位置で打たせない
2ゲーム目以降はこの配球を徹底しました。
シュートボールが打てる時はパッシングで早くラリーを終わらせたいですが、相手前衛がサイドに寄っていてポーチに出てくる気配もありません。打てば前衛に取られてしまう恐れがあります。ただ相手前衛はスマッシュが苦手、後衛の方は足が遅くバックが苦手だったのでロブで振り回せば十分勝てると思いました。
また、前衛がサイド寄りの場合はセンターにボールが通りやすいです。パッシングを我慢しつつセンターにシュートボールを打つことで相手後衛にバックを打たせさらにミスを誘います。
相手前衛がセカンドサーブの時はサービスダッシュが無いのでツイストが打ち放題です。無駄にラリーを続けるのではなく、決めれる時はツイストを後衛側orセンターのネット前に落としてあげると簡単に決まりました。
ツイストが決まると相手が警戒します。今度はセンターにボールを打ってみると相手がお見合いをしてポイントできたりする場面もありました。
1つ注意したいのは相手後衛に定位置のフォアを打たせることです。
1ゲーム目で相手後衛の定位置のフォアに返してしまった時、しっかり構えてパコーンとパッシングを打たれてしまいました。
そのあと似たような展開でフォアの定位置にボール返してしまった時、パッシングを警戒していると今度はショートクロス気味にフォアで強打されて決められてしまいました。
このことから相手は定位置のフォアが得意でチャンスがあればしっかり打ってくるタイプだということが分かりました。
なので相手のフォアの定位置にはなるべく返さないよう意識してラリーをしました。
その結果、効率よくポイントできゲームカウント4-1で勝つことができました。
ポイント間やゲーム間もすぐにプレーを始めずに自分を落ち着かせたり、相手の状況を整理する時間に生かすこともかなり良かったです。
試合では相手の弱点に目がいきがちですが、相手の得意なプレーに気づくことも勝つためには重要だと思いました。
得意なプレーが分かるとその展開を避けた配球ができるので自然と相手に決められる確率が下がります。
フォアハンドのイップスはネット際のバウンドの低いボールに対して発症しましたが、無理して打たずツイストなどを使ってうまく処理できました。
そしてベースライン付近のボールに対してはシュートボールを打つ際にイップスが発症しないことが分かりました。
イップスが出ることを前提に色々な対策をしてきた結果がここで出すことができてすごく達成感を感じられた大会でした。
まとめ
振り返ってみると、イップスの改善効果をかなり実感できるまでに約22カ月かかっています。
僕はソフトテニスを週に1回の頻度でやっています。練習頻度がもっとあればさらに早く改善できたかもしれません。
ただ僕の経験上、イップスは集団で効率良くできる練習メニューだとどれだけ長い時間練習しても全く改善されません。
僕は高校生の頃、そういった5本打ちなどのメニューでずっと練習してきましたがフォアハンドのイップスは全く治りませんでした。練習量も平日3~4時間・休日8~9時間練習しており、他のプレーの技術は向上するものの、フォアハンドのイップスの改善には全く繋がりませんでした。
イップスの改善には自身のイップスに対してしっかりと考えを持ち試行錯誤し続けることが大事だと思います。
そして後半にいくにつれて、イップスの対策でやっていることが技術面の向上になっていました。
イップスでない人がやれば今まで試合で出せていた実力が7割➡8~9割になるかもしれません。
今回の経験から『イップスは技術7割、メンタル3割で治せる』は本当だと思いました。
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そして年々症状は悪化していき、学生時代はとてもつらい思いをしました。
そんな僕の苦しかった頃のイップスについて詳しく知りたい方は次の記事に体験談をまとめています。
良かったら参考にしてください。
また僕がイップスで苦しかった時の事については次の記事に体験談をまとめています。
良かったら参考にしてください。
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以上
ありがとうございました。